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手のスプリントとは?種類・適応・メカニズムを解説

手のスプリントは上肢装具の一種であり、スプリントとはセラピストが使用している専門用語です。

作業療法を進めるにあたって非常に重要な装具であり、静的スプリントと動的スプリントに大別されます。

本記事では、スプリントの分類方法とそのメカニズムについて解説します。

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手のスプリントの分類

手関節背屈支持装具
上:掌側支持型 下:背側支持型

スプリントは目的に応じて大きく以下の2つに分類されます。

ギプスシーネ固定のように装着部分の関節・筋肉の動きを許さないものを「静的スプリント」

アウトリガーや継手などの装置で一定の動きが許されるものを「動的スプリント」と言います。

また別の見方として、手の滋養的機能レベルを向上させる「機能的スプリント」と

目的は果たすが実用性はなく、安静を保つ目的しかないものを「非機能的」という捉え方があります。

静的スプリント

概要

いわゆる「添え木」的な物を静的スプリントと言います。

装着によって痛みや動揺性が軽減されると手の実用レベルが向上します。

目的

固定の原理

3点固定の原理は ①静的3点固定 と ②動的3点固定 の2つあります。

手関節を中心とした3点固定は、スプリントのトリミングラインによって掌側支持か背側支持かが決定されます。

全面接触の原理

手のスプリントで最も重要なことは装着しても違和感がないことです。

違和感のある状態は構造体のどこかに浮きがあったり、3点固定がきちんとされていない状態が考えられるので

適合した手のスプリントとしては充分な機能が発揮できないものであると言えます。

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動的スプリント

概要

スプリントそのものに可動部を持つものを動的スプリントと呼びます。

つまり、スプリントの装着部位の一部または遠位関節が制限下で運動可能なものです。

可動部を持つことで関節可動域より少しだけ拡げて訓練に用いたり、

可動域を制限して関節運動をその間に留めることが可能です。

目的

アウトリガー型スプリント

一般にフレームと牽引装置であるスリングからなります。

フレームは目的によってスリングによる牽引方向を自由に調整できます。

原則として”弱い力で長い時間をかけて”牽引を行います。

それぞれの目的と機能障害のレベルにあった牽引力を持たせます。

ただし、牽引による痛みを起こさないことが重要となります。

継手型動的スプリント

代表的なものに把持装具があります。

関節可動域に制限をかけ、多軸性の運動を一軸性の運動に置換し訓練させることで手の機能の再構築を目指します。

弾性型動的スプリント

スプリングや鋼線を用いた弾性を利用したもので

関節拘縮の改善や可動域の制限、関節運動の方向を決定しやすいです。

また、完全固定を望まず多少の運動は許す際に選択されます。

操り型動的スプリント

RIC型把持装具のことです。

前腕部から伸びた糸が手指背側のカフを引っ張ることでテノデーシス効果を再現できます。

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疾患ごとのスプリントの考え方

1.関節リウマチ

多くは慢性化し関節の変形・拘縮が進んでから装具療法が選択されるため、

目的も関節変形の増悪予防や拘縮の改善となります。

早期のリハビリテーションの介入とスプリント療法、関節の保護の指導が望まれます。

その目的は以下の通りです

2.脳血管障害

手指の筋の過緊張の抑制に一定の評価を得られるものの、神経生理学的発達理論を基盤とした治療においてはスプリントの導入は一部否定的です。

目的は以下の通りです

3.脊髄損傷

脊髄損傷の特に頚髄損傷患者にスプリント療法が用いられます。

しかし車いす生活を送る基盤が確立しないとスプリントの有用性が活きてきません。

その反面、自立した生活を送るツールとして導入されれば重要な役割を担うものともなりえます。

セラピストは厚生用装具に切り替わるまでの患者の内的及び外的要因を整えておく必要があります。

内的要因・・・スプリントの使用に必要な関節可動域・筋機能の維持・知的機能・全身状態の確保

外的要因・・・車いす生活を支える生活環境のこと。

4.熱傷

熱傷後は肥厚性瘢痕形成を来しやすく、重度の運動機能障害を生じることがあります。

浅達性Ⅱ度熱傷や深達性Ⅱ度熱傷後は肥厚性瘢痕障害を来しやすく、Ⅲ度熱傷では植皮も行われることが多いです。

そうした場合において以下の目的でスプリント療法が用いられます。

オーバルエイト
熱傷分類のイラスト

腱機能障害

術後に使用されるものと保存療法の一環として行われるものがあるが、その目的は以下の通りです

手指の骨折

骨折の治療で最も重要なことは骨癒合です。

作業療法の目的は、それを念頭に置いて関節運動を早期に機能的レベルに回復させることとなります。

スプリントを用いる治療過程においても装着後の管理が十分になされていなければいろいろな弊害が生じる可能性があります。

スプリントは以下の目的を抑え、骨折部には負担をかけずに関節運動の回復を助けるものとなります

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まとめ

手のスプリントは障害の程度や機能回復の状況に応じて細かく調整を繰り返す必要があります。

臨床において日々変化する状況に合わせ、義肢装具士がチェックと修理・調整することが望ましいとされます。

また、処方された患者が目的をよく理解せず放置されることが多いため、早期からの継続的なスプリント治療を導入させるため

リハビリテーションの基本を理解し、それに対応できる知識と技術を備えることが重要です。

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